文化祭の参考に、とあの大金持ち学校の桜蘭高校の学園祭の見学を命じられたのは昨日のことだ。だいたいクラスの出し物の参考にするレベルの学園祭なわけがない。と言ってみたけれどその意見はきれいに受け流されたようだった。


ケータイをパカリと開く。親指がぽんぽんと文字を打っていき、あっという間に送信画面に変わった。








to:草摩由希
date:0*/**/** 13:49
subject:(non title)
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桜蘭の学祭ゆんちゃん
行けるよね暇だよね
きっと

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from:草摩由希
date:0*/**/** 13:52
subject:Re;
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暇じゃないから。
すごく忙しいから。

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to:草摩由希
date:0*/**/** 13:53
subject:Re;re;
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ハテテクレ

---end---









メールを読み終えたあとケータイを制服のポケットに放り込んだ。ポケットの中で振動しているそれはメールの着信を知らせている。まあきっと草摩由希からの嫌味な返信だろうから今は放っておくことにする。しばらくすればこの少し痒い振動も収まるのだから。


まだ震え続けている間にあたしは桜蘭へと歩きだした。







(080322)
由希とのメール。